長崎の郷土食であり名物食
おいしい「かんころ餅」が食べたいと、たどり着いたのが、1937年創業の和菓子店、亀屋饅頭の商品。購入した、かんころ餅は大で税込み750円、小で550円でした。長崎の郷土食であり、名物食でもあるため、同店を含め近隣の和菓子店や饅頭店などで「かんころ餅」ののぼり旗が立っているのを見かけました。
1937年創業の和菓子店「亀屋饅頭」のかんころ餅
お餅と言えば、丸形や長方形形を連想しますが、かんころ餅はコッペパンのような形状で、なまこ形などとも呼ばれているようです。
食べ方は、1センチほどの厚さにスライスして、トースターやフライパンでこんがりするまで焼き上げて食べます。今回は、トースターを使用しました。
1センチほどの厚さにスライスした焼き上げる前のかんころ餅
10分ほど焼き上げると、平らだった表面が外側に張り出してきて丸みを帯びてきます。
表面に焦げ目ができるかできないかのタイミングまで待ち、試食です。
焼きあがって丸みを帯びたかんころ餅
一口食べると、目をみはるイモイモしさと、優しい甘さ―。かんころ餅だからこそ表現できるイモ感とでも言えばいいのでしょうか。甘ったるくないため、イモの香りを楽しみながらどんどん、どんどん食べ進められます。
食感は、焼き上げた外側はカリカリ、中がネットリ系の焼き芋のようなトロっとしたやわらかさ。おいしいですが、焼き立ては、イモならではですが、地獄のように熱いです。
九州地方では当たり前の「甘口」の醤油とも、甘じょっぱさでイモの個性が引き立ち、相性抜群でした。お店の説明によると、バターをつけて食べるのもおすすめだそうです。
かんころ餅で「無限サツマイモ」体験
農水省によると、かんころ餅は長崎県五島地方に古くから伝わる郷土食で、昔は冬の保存食として各家庭でつくられていたそうです。サツマイモを薄くスライスしたものを「かんころ」と呼ぶそうで、かんころともち米を合わせてつきあげて、かんころ餅はつくられます。
伝承の一つとして、江戸時代に迫害を受けて五島にわたってきたキリシタンの人々が食糧確保のためにつくりはじめたという話もあるとのことです。
かんころ餅を食べ始めたら、手が止まらず。1個、また1個…。無限に食べられるメニューのことを、「無限キャベツ」などと呼ぶことがありますが、かんころ餅はさながら、まさに「無限サツマイモ」でした。
長崎に訪れる機会があれば、かんころ餅で「無限サツマイモ」の体験はいかがでしょうか。 なお、亀屋饅頭の「かんころ餅」は同店のオンラインショップでも販売しているようです。
外部URL:亀屋饅頭オンラインショップの「かんころ餅」のページ
外部URL:亀屋饅頭オンラインショップの「かんころ餅」のページ