記者クラブが選定 農業技術10大ニュースに「べにひなた」


農業関係専門紙などが加盟する記者クラブ「農業技術クラブ」が選定し、農水省がこのほど発表した2023年の「農業技術10大ニュース」にサツマイモ関連のニュースが1件、ランクインした。選ばれたのは、国立の研究機関「農研機構」(本部・茨城県つくば市)が今秋発表した、土壌伝染性の病害「サツマイモ基腐病」への強い抵抗性を備えた青果用サツマイモの品種「べにひなた」を開発したニュースだ。おイモ関連が選ばれるのは、2021年以降、3年連続となった。【さつまいもニュースONLINE編集部】

「べにひなた」の話題はこちら 基腐病に強い抵抗性を備える新品種「べにひなた」開発、農研機構


おイモ関連は3年連続のランクイン

農業技術10大ニュースは、農業関係専門紙など30社が加盟する記者クラブ「農業技術クラブ」が選定。1年間で新聞記事として取り上げられた産官学などの農林水産研究成果のうち、内容に優れ、社会的関心が高いと考えられるニュースを、クラブ加盟会員の投票で10本選んでいる。

今年選ばれたニュースのタイトルは、「サツマイモ基腐病に強い青果用かんしょ『べにひなた』―南九州における青果用かんしょの安定生産に貢献―」。

選定理由には、「サツマイモ基腐病のまん延している畑での試験栽培では従来品種の『べにはるか』は1割以下しか収穫できなかったのに対し、『べにひなた』は8割以上収穫できました。宮崎県と鹿児島県で普及が見込まれ、サツマイモ基腐病の被害軽減と青果用かんしょの安定生産への貢献が期待されます」としている。

10大ニュースを巡っては、2021年が「サツマイモ基腐病をすばやく診断!-病原菌を最短約1日で検出・同定-」、2022年が「新たな道を切り開く『みちしずく』-基腐病に強く、多収の焼酎・でんぷん原料用かんしょ新品種を育成」が選ばれており、おイモ関連は3年連続のランクイン。基腐病対策の重要性や必要性を映し出す結果にもなっている。