おイモの皮活用「アップサイクル」せんべい 六角形にした納得の訳

「ばかうけ」「星たべよ」などの米菓を手がける栗山米菓(新潟市北区)はこのほど、従来の製造過程で捨てられてきたサツマイモの皮やおからを活用した「ろっから堂(さつまいも)」を発売した。廃棄予定の素材を加工し、新たな価値を生みだす「アップサイクル」の一環。サツマイモの風味を生かしつつ、深みのある甘さのせんべいに仕上げた。環境への配慮とおいしさを両立させた新たなおイモアイテムが登場した。【さつまいもニュースONLINE編集部】

■五郎島金時などの皮をアップサイクル

「ろっから堂」は、「本来ならば捨てられるはずだった素材に新たな命を吹き込み、大切に育てられた素材たちを使い切る」(同社)といった発想の下、開発されたアップサイクル商品。

おイモは、大きさや形、色が規格から外れてしまい市場には出回らないものもので、加工の過程で出てくる皮を使用。品種は、石川県金沢市の伝統野菜「加賀野菜」の一つとして知られる「五郎島金時」や、ねっとり系で人気の「シルクスイート」などの皮を活用しているという。

せんべいのおいしさにもこだわりを追求生地の配合から味付けまで何度も試行錯誤を繰り返し、おイモの風味を活かしたパリッとした食感を実現するため生地をできるだけ薄くし、通常の米菓と異なる焼き方で生産しているという。

味の面では、甘めのしょうゆダレで味付けをした後、ザラメを振りかけ深みのある甘さに仕上げた。

■六角形を採用した狙いとは

さらに商品の形状でも工夫を凝らす。せんべいの形状は定番の丸型ではなく、六角形を採用。せんべいの生地から隙間なく型を抜くことができようにすることが狙いで、「生産ロスによる廃棄を最小限に留める」ようにしたという。

パッケージも、脱プラスティックの一環で紙製パッケージを採用している。

内容量は1袋90グラム。価格が参考価格で250円前後。全国のスーパーなどで3月20日から順次販売を開始している。

同社は「世の中には本来の価値を持ったまま捨てられてしまう素材は多く存在する。『”もったいない”を”おいしさ”に』をテーマに、お客のニーズに合わせた『たのしい、おいしい、あたらしい』商品を充実させていきたい」などとしている。