設立3年目を迎えた「みんなのサツマイモを守るプロジェクト-Save The Sweet Potato-」(SSP)。節目に合わせ、ゲストとサツマイモ産業のいまやこれからを語る連載の第2回。今回は、芋焼酎の聖地・鹿児島県の出身で、焼酎やサツマイモを中心にした商品の企画・研究開発を手がける「LINK SPIRITS(以下、リンクスピリッツ)」を立ち上げた経営者の冨永咲さんです。同社は、ロゼワイン酵母を使った本格芋焼酎ベースのピンク色のスピリッツ「NANAIRO」で話題を集めています。経営者としてサツマイモ業界にかかわる冨永さんの思いと今後のビジョンとは――。SSP代表の後藤基文氏(welzo取締役)と語り合いました。【さつまいもニュースONLINE】
芋焼酎・聖地の鹿児島出身
ミス薩摩焼酎への選出も
後藤基文さん(以下、後藤さん) 冨永さんが経営している「リンクスピリッツ」は芋焼酎の可能性を探る取り組みに力を入れていらっしゃいます。昔から焼酎への思い入れは強かったのですか。
冨永咲さん(以下、冨永さん) 私は鹿児島市で生まれ育ったのですが、大学への進学で神奈川県に移り、卒業後、神奈川県の地方新聞社に就職しました。広告営業をしていたのですが、それで目上の方との会食の場などで、私が鹿児島出身と知ると「焼酎は飲めるの?」とよく聞かれ、そこから芋焼酎を飲み始めるようになりました。
焼酎を飲むことで相手に興味を持ってもらえて、相手も好きなら「共通言語」にもなる、と考えたのです。2016年には、鹿児島県酒造組合が主催する第2代ミス薩摩焼酎に選んでいただくことにもなりました。
後藤さん それはすごいですね。芋焼酎熱がどんどん高まっていった一方、リンクスピリッツの起業にはどのようにつながっていったのですか。
冨永さん 第2代ミス薩摩焼酎に選んでいただいたことで、そこから作り手のみなさんとつながったことも大きかったです。蔵ごとの個性や作り方の違いなどについ