茨城・行方発の発泡酒「焼き芋メドレー」が発売 都内で試飲会も


全国有数のサツマイモ産地で知られる茨城県行方市のおイモを使用した発泡酒「YAKIIMO MEDLEY(焼き芋メドレー)」が13日、発売された。おイモの新たな楽しみ方の提案や、行方ブランドを発信などにつなげたいと開発された発泡酒で、季節によって品種を変えながら醸造を予定することから「メドレー」と名付けられた。同日には都内で試飲会も開かれ、訪れた人々が楽しげに試飲のカップを傾けていた。今後、オンライン販売や同市のふるさと納税の返礼品などとして普及を目指す。【さつまいもニュースONLINE編集部】

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「まろやかな口当たり」と好反応

同日午前、試飲会の会場となった「さつまいも博365 試食専門店」(東京都豊島区)で、会社員の女性(20)が焼き芋メドレーを味わっていた。普段からサツマイモはよく食べているといい、焼き芋の発泡酒と聞きつけ、「めずらしい」と触手が伸びたという。


まろやかな口当たりや香りが飲みやすく感じたといい、「普段、甘いお酒しか飲まないんですが、もし飲食店に置いてあったら頼んでみたいなと思いました」と感心した様子だった。

なめがたブランド戦略会議が企画・開発

焼き芋メドレーは、同市などでつくる「なめがたブランド戦略会議」が企画・開発し、同県の「牛久シャトー」(牛久市)が製造。同社から都度買い入れを行いるかたちで「行方市まちづくり推進機構」(行方市)が販売・普及を行う。

同市によると、市内産サツマイモの魅力の発信や、おイモの新たな味わい方の提案を模索する中で、たどり着いたのが今回の発泡酒だったという。日常な中で取り入れやすく、繰り返し楽しんでもらえるなどと発想したほか、甘いものを敬遠しがちな人も含めてファンを広げていきたいと考えた。

試飲会場となった「さつまいも博365」=13日

出荷時期に応じ、品種を変え製造も

開発を巡っては、ことしに入ってから、試作を開始。品種そのものやおイモの焼き加減を変えたり、焼き芋を投入するタイミングなどを調整したりしながら、9月に完成にこぎつけた。

通年でサツマイモを供給し続ける「品種リレー出荷体制」と呼ばれる仕組みが同市の生産現場で構築されていることにちなみ、出荷時期に合わせ、原料となるサツマイモ品種を変えて販売することも予定。

第1弾は、紅あずまを採用。3千本ほど製造したといい、今後は紅はるかや紅まさりの製造を計画しているという。


「メドレー」に込められた意味

アイテム名の「焼き芋メドレー」は、焼き芋アンバサダーとして活動し、執筆活動やメディア出演でも知られる天谷窓大さんが、「品種リレー出荷体制」のように季節と共に順繰りに品種が変えいてく取り組みのコンセプトなどを踏まえ、命名した。

1本330ミリリットルで、参考価格は税込み770円。

今後の販売や普及を巡っては、行方市の地産品を多く扱うインターネット通販サイト「なめがたさんちの特選マルシェ」での取り扱いをはじめ、同市のふるさと納税制度の返礼品としても活用。また、市内外のイベント出店時にも販売が行われる見通し。

通販サイト「なめがたさんちの特選マルシェ」

「新たなファン生み出すアイテムに」

行方市ブランド戦略課の担当者は、「行方のサツマイモの新たな楽しみ方を発信していけるアイテムに仕上がった。一年中、おイモが食べられる行方市の魅力の発信にもつなげていきたい」と意気込んでいた。

焼き芋メドレーの名付け親にもなった天谷さんは同日の試飲会にも駆け付け、「飲口がやわらかく、香りもよい。行方のおイモを食べていなかった人にもアプローチしやすく、新たなファンを生み出すアイテムにもなっていくと思う。わくわくする取り組み」と期待を寄せていた。