「聖地」どうなる?来冬のさつまいも博は千葉開催に【解説付き】


国内を代表するサツマイモの祭典「さつまいも博」を主催する実行委員会は11日までに、2026年のさつまいも博を今夏の「夏のさつまいも博」に続き千葉・幕張メッセで開催することを明らかにした。これまで埼玉県のさいたまスーパーアリーナのけやきひろばを中心とした関連施設で開催を重ねてきており、会場を埼玉県外に移すのは初となる。屋内開催となるため、天候や気温に左右されずに買い物や喫食を楽しむことができそうだ。【さつまいもニュースONLINE編集部】


実行委と千葉県の協議まとまる

10日までに幕張メッセで開催された夏のさつまいも博の会期中、実行委と千葉県側での協議で調整が進展し、千葉開催が決まった。発表によると、開催予定時期は2026年2月中旬。

さつまいも博が黎明期から開かれてきたさいたまスーパーアリーナが、サツマイモファンの間で「聖地」とされてきた経緯がある。

さつまいも博でにぎわうけやきひろば
さつまいも博実行委員会提供

しかし一方で、時間帯に寄って強烈な寒風が吹きさらすけやきひろばは防寒対策が不可欠で、熱々の焼き芋もすぐに冷めてしまうなどの状況もあった。

さつまいも博開幕前のけやき広場の様子=2023年、編集部撮影

聖地めぐる今後の動向に注目

国内を代表するサツマイモの祭典であるさつまいも博。単なるフードイベントの領域にとどまらず、ユニークで優れたサツマイモや生産者を紹介する「日本さつまいもサミット」や、焼き芋の頂点を決める「全国やきいもグランプリ」といった生産者や職人に光を当てる取り組みにも力を入れ、信頼と権威を高めているのが、そのゆえんだ。

千葉県は、全国有数のサツマイモ産地としてのイメージの定着に向けてブランディングを進めており、さつまいも博との連携によって、その動きを強めていくとみられる。

開催地は、2026年を機に千葉に定着していくのか。起源の埼玉に戻ることがあるのか。それとも、東京都や神奈川県など第3の自治体が誘致に名乗りをあげることもあるのか。

さつまいも博の開催内容が年々充実をみせる中、「聖地」をめぐる今後の動向にサツマイモファンのみならず、自治体や農政関係者、地元事業者などの幅広い注目を集めそうだ。