第2次補正予算案:サツマイモ基腐病対策や生産農家支援などで20億6600万円を計上 農水省

 政府はこのほど、物価高騰対策などを盛り込んだ今年度の第2次補正予算案を国会に提出した。サツマイモ関連では、農水省が農林水産関係重点事項として、総額約20億6600万円を充てる「甘味資源作物産地生産体制強化緊急対策事業」を盛り込んだ。同事業では、各地のサツマイモ農家を悩ませる伝染病「サツマイモ基腐(もとぐされ)病」などの病害対策や、農家の生産性向上などを支援したい考えだ。【さつまいもニュースONLINE編集部】

 農水省の発表によると、同事業では、サツマイモやサトウキビの生産者、製糖・でん粉工場の持続可能な生産体制の構築を図る。

 同事業のうち、サツマイモ関連は「かんしょ生産性向上緊急支援事業」を盛り込んだ。サツマイモ基腐病の次期作への影響を最小限にするため、サツマイモの持続的な生産を行う取組みや、でん粉原料用サツマイモの生産性向上や省力化に資する取組みを支援していく考えだ。

 具体的には、サツマイモ基腐病の防いだり、取り除いたりするため、サツマイモの持続的な生産を行うのに必要な農地条件の改善、健全な種イモ・苗の確保、 他作物転換などを支援するという。

 また、でん粉原料用サツマイモの生産性向上に向け、収穫量の多い新品種への転換や、省力化に資する農業機械の導入などを支援していく計画。さらに、プラスチック排出抑制に向け、畑のうねを覆うマルチと呼ばれるシートを、微生物の働きで自然に還る素材に転換・導入していく取り組みも後押ししたい考えだ。

 第2次補正予算案をめぐっては、同予算案を国会に提出した21日に衆参両院の本会議で審議入りする予定だったが、政治資金をめぐる問題で寺田稔総務大臣が20日に辞任したのを受け、参議院での審議入りが22日にずれ込むなど影響が出ている。開会中の臨時国会の会期末は12月10日で、政府は同予算案の早期成立を目指している。

農水省「令和4年度農林水産関係第2次補正予算の概要」=https://www.maff.go.jp/j/budget/r4hosei.html