「干し芋の甘さを数値で」―。味覚に関する計測機器などの開発・製造・販売を手がける「アタゴ」(東京都港区)はこのほど、干し芋の糖度計測に特化したペン型の糖度計「PEN-干し芋」を発売した。栄養価が高く自然派のおやつとして人気が再燃しつつある干し芋を巡り、メーカーや生産者などに糖度計を活用してもらうことで、ブランド化にも役立ててもらいたい想定だ。【さつまいもニュースONLINE編集部】
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干し芋に特化した糖度計は初
アタゴは、多様な液体の濃度を計測する「屈折計」と呼ばれる機器で国内シェアの約8割を誇る、屈折計の国内最大手。
サツマイモに関する取り組みを巡っては、これまでも生のおイモや焼き芋の糖度が測れるなどするペン型の糖度・濃度計「PEN-J」を展開してきたが、干し芋に特化した糖度計の製品投入は「PEN-干し芋」が同社初になるという。
「PEN-干し芋」は、ペン先のプリズムと呼ばれる先端部分を干し芋に押し当てることで簡単に計測できるのが最大の特長だ。
プリズムを干し芋に密着させる必要があるため、干し芋の表面に凹凸が多い場合は干し芋を切断して平らな断面を活用して測る必要がある。また、表面でも断面でも適度に水分を含む箇所にプリズムを当てるのが計測のポイントという。
本体丸ごと洗えて衛生的に
プリズムを含め、機器本体はまるごと水洗いができるため、いつでも衛生的に保ちながら使用できる。
計測範囲は0.0~85.0%で、制度は±0.2%。価格は、税込み3万9600円。学生や教職員向けの学割や、障害児・者分野の社会福祉施設・サービス向けの福祉支援割があり、いずれも対象者が利用した場合、それぞれ定価から5%を割り引く。
「糖度に応じたブランド化可能」
同社は「産地、形状、品種など干し芋を選ぶ基準はさまざまですが、その中でも糖度は干し芋製品の印象を大きく左右する要素といえます。糖度を測定することで干し芋の甘さを数値化でき、糖度が〇度の場合はAランク、〇度以上の場合はSランクというようにランク付けすることで干し芋のブランド化も可能です」などと呼び掛けている。