夏のさつまいも博 個性光るスイーツがそろい踏み、食べ方提案も



17日に開幕する「夏のさつまいも博」。国内を代表するサツマイモのイベント「さつまいも博」の夏版で、同博史上初の都内での開催となる。開幕前日の16日には、報道陣に会場内が公開された。各ブースには、キラリと個性が光るおイモスイーツがそろい踏み。焼き芋の新たな食べ方を提案する出店者もあり、芋活の楽しみ方を広げるアイテムや情報がたくさん散りばめられていた。【さつまいもニュースONLINE編集部】


"追い蜜"で輝き増す「宝石いも」

まず、注目したのは、石川県金沢市に本拠を置き、初出店となった「おいもとレモネード」。金沢のブランド芋「五郎島金時」のおいしさを最大限に引き出したメニューが特長で、その中でも「大学芋の革命児」とも評されることのある冷やし大学芋の「宝石いも」。


五郎島金時のしっとりした大学芋のおいしさと、金沢の老舗あめ屋「俵屋」がお米と大麦でつくった「じろ飴蜜」と呼ばれる特別な蜜を使用。あめが大学芋に宝石のような「照り」を加えているだけでなく、まるでりんご飴を思わせるようなカリッとした独特の食感を生んでいる。

「外側はカリッと、中はしっとり、トロっとした食感です」と同店。食べる直前に蜜を使いする「追い蜜」も楽しく、金沢発の注目の大学芋だ。

お芋の食べ方に新提案のスコーン

2020年、2023年と2度にわたり、「全国やきいもグランプリ」で日本一に輝いた焼き芋専門店「神戸芋屋 志のもと」は焼き芋の食べ方の新提案を発信する。

同店では「蜜はるか」「志るくすいーと」の冷やし芋を販売する予定だが、それらと合わせて提案するのが、今回の夏のさつまいも博で初披露するという「焼き芋専用スコーン」だ。


原料には、大粒のオートミールや石挽きの全粒粉、深い甘みが特長の「マスコバド糖」と呼ばれる黒糖、淡路島の塩などを使用しているという。

「焼き芋をおいしく食べるために開発したアイテム。ザクザクとした食感や甘じょっぱさが特長で、冷やし芋をのせてぜひ味わっていただきたい」とは同社の野元篤志社長。焼き芋にこだわる同社として、焼き芋の楽しみ方自体も広げていきたい考えだ。

1セット3個入りで、各日、個数限定販売する。冷やし芋とスコーンの味と食感のマリアージュはぜひ経験したい。

「常識」を超えていく芋けんぴ

芋けんぴを思い浮かべるとき、表面が砂糖でコーティングされた硬い芋けんぴをイメージされがちだと思われるが、「芋の瑠庵」が販売するのは、その名も「やわらか芋けんぴ」だ。


5年ほど前から百貨店の催事などで特別に販売してきたというアイテム。やわらか食感で、おイモの甘みの中にほんのりと広がる絶妙な塩加減も味わい深い芋けんぴだ。

やわらかさの秘密は、千葉県香取市の契約農家が丹精した紅はるかを1本1本、丁寧に手作業で極太にカットしているところにある。

新たなファン層の開拓にもつながっており、「年配の方がご自分に購入されて、やわらかくて食べやすかったので、お孫さんのためにも買いに来られた、というようなリピーターも生んでいる商品です」と同店代表の佐藤潤一郎さん。極太にカットするので、良質のおイモを無駄なく最大限使い切ることにもつながっているという。

噛む力の衰えた人や子どもにも多くの世代で、おイモの恵みを余すことなく味わえる芋けんぴだ。

オーガニックの安納芋の魅力を

長崎県五島市で有機のサツマイモを栽培する「後藤商店 佐藤の芋屋」は有機栽培の安納芋をふんだんに使用したロールケーキ「金の芋リッチ」を販売する。


ゴロっとしたおイモの入ったクリームを甘さ控えめのビターなココア生地で包み、さらに表面にモンブラン風に絞ったペースト、角切りの安納芋を贅沢にのせた。

同店の相田哲社長は「有機栽培で大事に育てている安納芋の魅力を多くの人に知っていただきたい」と話していた。