「焼き芋を食べたときの『幸せ』広げたい」 焼き芋店出店情報の共有アプリ開発者・高谷さん

プログラマーの高谷卓司さん(高谷さん提供)

取材で出会った方のサツマイモとの関わりやエピソードをたずねる連載「私とサツマイモ」。第1回は、焼き芋ファンに移動販売などの焼き芋屋さんの情報を投稿して情報共有するモバイル向けウエブアプリのサービス「焼き芋屋さんを見つけた人が地図でシェアするアプリ」を開発・提供しているプログラマーの高谷卓司さん(47)です。アプリ開発に懸ける思いや、サツマイモ愛を語ってもらいました。【さつまいもニュースONLINE編集部】


ー焼き芋に関するアプリを開発したことでどのような反響がありましたか。

高谷さん 本業の職場ではアプリのことを話していないので変化はないのですが、作業場所で契約しているコワーキングスペースでは、「焼き芋の人」と認識されていますね。一時期、焼き芋屋さんをしている人と誤認されていたこともありました。

ープログラマーの本業以外の時間は、アプリの開発に充てているとうかがいました。

高谷さん 一人暮らしなので、プライベートはアプリ開発しているか、焼き芋屋さんの情報探しをしていますね。本業のプログラマーの仕事もいそがしいので、本業に影響しない範囲でしか活動できないため、アプリの開発が遅れがちでもどかしく思うこともあります。

実際のアプリの画面。店の位置が地図上に表示される

ー第4次といわれる焼き芋ブームで、アプリにとってもユーザー獲得のチャンスのように思います。今のブームをどのように感じていますか

高谷さん 盛り上がりすぎではないかな、とちょっと気を揉むほどです。私がアプリに手を付けたころはまだこれほどまで盛り上がっておらず、私自身は「息の長く、すたれることはない、ニッチな産業」という認識でした。ですが、これほどまでに盛り上がり、当初はアプリを一人でゆっくり開発しても間に合うと思っていましたが、追い付かないほどです。焼き芋ファンや焼き芋屋さん、そして、このサツマイモをめぐる産業全体のため、少しでも貢献できるアプリ開発にしていきたいです。

ーサツマイモのどのようなところに魅力を感じますか

高谷さん 砂糖の甘さとは異なる優しい甘さと、腹持ちの良さがサツマイモの魅力と思っています。食べ方は主に焼き芋は自宅でもつくりますし、お店のものもよく買いに足を運んでいます。

―自宅では、どのように焼き芋を調理するのですか

高谷さん 焼き芋といいましたが、正確には自宅では蒸すことが多いです。圧力釜で20分ほど火にかけて蒸しますね。昔は鳴門金時が好きでしたが、いまはやはり濃厚な甘さと香りの紅はるかが多いです。

■「焼き芋って幸せな感じがしませんか」

ー今後はどのようにサツマイモと向き合っていきたいですか

高谷さん 私は焼き芋屋さんが大好きです。たくさんの焼き芋屋さんがそれぞれ個性を発揮して、皆さんに焼き芋を提供していけるようであってほしいな、とも思っています。焼き芋って幸せな感じがしませんか。寒く凍える日に偶然出会えた焼き芋さんから甘くて暖かい焼き芋が手渡されるーという光景を想像してみてください。考えただけでも幸福な気持ちになりませんか。そんな光景が、ずっと日本中で残っていてほしい。そうすれば、ギスギスした世の中も、ほんの少しでも好転していくのではないかと期待を持てるような気がします。アプリの開発を通じて、そういう未来のためになれば、とも思っています。

ー焼き芋は、焼き芋屋さんは、人々に幸せな光景を運ぶような存在だ、と?

高谷さん そうですね。もっと言えば、焼き芋屋さんを地域の中心にして、コミュニティーの輪が広がることも期待しています。焼き芋屋さんに買いに集まる人々で交流が生まれたり、その結果、防災や日々のトラブルも含めて助け合いが起きたり。焼き芋屋さんの存在が、地域の人々に与えてくれるものは大きなものがある、と。理想的に過ぎるかもしれませんが、私はそのように思っています。

ー高谷さんも焼き芋屋さんを売る側にまわる=「開業する」という思いはないのですか。

高谷さん 私はプログラマーなので、ソフトウエアやアプリを通じて、焼き芋屋さんや焼き芋ファンのためになることをいかにできるか、ということにやりがいを感じています。焼き芋を食べたときの幸せな感じ、ほっこりした感じをアプリを通じて全国にもっともっと広めたいです。

「焼き芋屋さんを見つけた人が地図でシェアするアプリ」

https://app.yakiimoshop.com/