2022年度の「食育白書」が6日、閣議決定された。白書は、食育基本法に基づき、政府が毎年、国会に報告している。閣議決定を受け、農水省は同日、同省ホームページ上で白書を公開した。新型コロナウイルス感染症の影響下における食生活の変化などの特集も記載。サツマイモを巡っては、サツマイモ栽培を通じた未就学児への食育推進の事例紹介が盛り込まれた。【さつまいもニュースONLINE編集部】
サツマイモの事例は、第2章の「学校、保健所等における食育の推進」のうち、第3節「就学前の子供に対する食育の推進」に盛り込まれた。
紹介されたのは、群馬県の幼保連携型認定こども園の専用農園での取り組みだ。子どもたちがサツマイモの栽培から収穫までを体験できるといい、毎年6月に紅はるか、紅あずま、シルクスイート、ふくむらさきを苗から植え付け。収穫まで畑の様子を観察し、秋の芋掘りを経て、園で調理をして給食として提供しているという。
サツマイモを洗う活動も取り入れ、太さや長さ、重さなどを記録する取り組みを実施。園児からは「紅はるかは、切ると白いよ」「シルクスイートはしっとりしている」―などと感想が上がるなど、品種間の比較を通じ、子どもたちの観察する力や疑問を持つ力などが養われているという。
白書では、同園のコメントも掲載。「サツマイモを通して調べたり、考えたり、話し合ったりといった、生きるために必要な意欲、探究心等がこどもたちの中に、育まれていきました。今後も、これまでの食育活動を継続し、こどもたちの声を更に聞いて対話を続けながら、観察力を伸ばす食育の取組を実践していきたいと考えています」としている。