【担当者に聞く】生活用品のドウシシャがおイモスイーツブランドを始めた訳と目指す今後


サツマイモのスイーツブランド「OIMO MERCI(オイモメルシー)」が、東西の百貨店などを中心とした出店で、ファンを広げている。「お芋がパリに恋をした」というファンシーなコンセプトで、おイモらしい甘さや風味を活かした洋菓子の提案が特徴のブランドだ。これを手がけるのが、家電や生活用品の企画・販売を手がけるドウシシャ(大阪市中央区)。おイモスイーツのブランドをなぜ始めたのか、さらに今後にどのようなビジョンを描いているのか。開発担当のキーパーソン、志賀雄太さんに話を聞いた。【さつまいもニュースONLINE編集部】

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株式会社ドウシシャ 
ギフト事業部ギフト商品開発ディビジョン
マネージャー 志賀雄太さん


洋のテイストで新たなブランドを

――ドウシシャがスイーツ市場に参入した経緯を教えてください。

当社には『あっ、ここにDOUSHISYA』というキャッチフレーズがあるのですが、発想と切り口による企画力で、暮らしを豊かにしたり、快適にしたりするアイテムを手がけていこうという社の考え方があります。

家電や生活用品にとどまらず、食品やお酒、ファッション衣料などと幅広く、商品開発に取り組んでいます。ブランドスイーツの展開もその活動の一つとして進めてきています。

実際にスイーツ市場に参入したのは3年ほど前で、第1弾として紅茶に合うスイーツブランドとして「T.D.Early(ティー・ディー・アーリー)」をスタートさせました。なので、「OIMO MERCI(オイモメルシー)」は第2弾となります。


――なぜ、第2弾はサツマイモに目をつけられたのでしょう。

近年、サツマイモの人気が長く続いています。百貨店の催事などを視察して会場を見て回る中でも、どこにいってもおイモという現象を多く目にしてきました。おイモの人気の熱を感じる一方で、一つ、気になっていたことがありました。それは、世の中のおイモのアイテムの商品展開やブランディングが和のテイストに偏重気味になっているのではないか、ということでした。

より時代にマッチしたブランディングができないか。かわいらしく、おしゃれで、誰かと共有したくなるようなイメージのスイーツという新たな切り口で取り組むことで、新規参入でもファンを獲得していけるのではないか、と考えました。おイモと洋のテイストで新たなブランドを作っていこうと社内提案し、賛同を得られたことから、商品開発に取り組んでいくことになりました。

おイモのイメージ変えていきたい

――実際にどのようにOIMO MERCIのブランドを作りこんでいったのでしょうか。

OIMO MERCIは「お芋がパリに恋をした」をコンセプトにしています。おイモを擬人化していて、いわゆる洋菓子に溶け込んでいく、融合していくイメージで商品を開発したり、パッケージなどのデザインを作り込んでいきました。サツマイモ、紫芋、安納芋などそれぞれのスイーツに最適な糖度、食感、風味を選択しながら、おイモの素材を生かした洋菓子を企画し、協力メーカーの方々と共に商品化に取り組んできました。

その中の一つで現在は多くの支持をいただくようになった「おいもサブレサンド」は、サブレ生地で糖度の高いクリーミーなおイモをサンドしたもので、他でもあまり見かけないような色鮮やかなパープルカラーのサブレサンドに仕上げました。のちにSNSなどでも反響を得られることになりましたが、こうしたところにもおイモを巡る和のテイストのイメージを変えていきたい、という思いが込められています。

おいもサブレサンド
――リアルの売り場展開では、どのように取り組んできましたか。

2022年秋ごろから商談などをスタートさせ、2023年3月に初めてホワイトデーにあわせ、大阪の阪急うめだ本店に初出店させていただくことに至りました。以後、東京、大阪を中心に東西の百貨店などで期間限定出店を続けてきています。

出店する際には、例えば母の日に合わせた限定のフロマージュケーキの提案など、催事や季節にあわせた新商品や限定商品を提案して、何度も足を運んでもらえるように工夫をしています。

「母の日」に合わせ限定販売した「おいもフロマージュケーキ」

――限定商品をたびたび用意するとなると、商品開発も大変そうですね。

そうですね。ただ、もっともっとおイモを輝かせられると考えています。百貨店やエキナカ施設をみて常にトレンドもチェックしながら、チームでアイデアを出し合っています。また、製造面で協力いただいているメーカーの方々も複数社にお願いしているので、その部分でもシリーズのアイテムに多様性が生まれていると捉えています。


――今後のさらなるOIMO MERCIの発展に向けてどう取り組むか。ビジョンを教えてください。

現在、催事への期間限定出店を中心に展開していますが、やはりいつでもお客さまにOIMO MERCIのアイテムを購入してもらえるような場所として、東西に1店舗ずつ常設店が出店できるようになることを目標に取り組んでいます。そのためにさらにブランド価値を高め、認知を広げていきたいと考えています。軸は、先ほども述べましたサブレサンドでリピーターを獲得しながら、OIMO MERCIならではの洋のアプローチで生菓子にも一層、力を入れていきます。

おイモを使った単なる洋菓子ではなく、いかにおイモの魅力を引き出すかにこだわったものづくりで、われわれもサツマイモの人気をさらに盛り上げる一役を担っていきたいと考えています。

【イベント情報】
OIMO MERCIは9月13~19日、阪急うめだ本店(大阪市北区)に期間限定出店する。「おいもサブレサンド」などの定番アイテムに加え、お芋のフィナンシェの中にカラメルソースを注ぎ込んだ新商品の「おいも蜜フィナンシェ」をお披露目する。会場は、地下1階の「スイーツイベント1」。