国産サツマイモを世界に 輸出販売用段ボールが輸送包装の賞受賞


デザインからロジスティクスに至るまで優れた包装を表彰する「2023日本パッケージングコンテスト」(主催・日本包装技術協会)で、食品商社「Wismettacフーズ」(東京都中央区)が国産サツマイモの輸出販売に使用している段ボールが輸送包装部門賞に入賞した。日本らしい漫画のイラストをあしらったデザインはもとより、1枚単位でトレーサビリティ対応を可能にして偽造品対策できるようにするなど、機能面での優位性を多く備えた段ボールだ。【さつまいもニュースONLINE編集部】

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輸出確立実証事業で「共作」

入賞した輸出用段ボールは、日本青果物輸出促進協議会が実施した「大規模かんしょ輸出確立実証事業」と題した事業の一環で、段ボール国内最大手のレンゴー(大阪市北区)をはじめ、シンクタンクの野村総合研究所(東京都千代田区)、青果卸の東京青果(東京都大田区)、Wismettacフーズが共に企画・制作にあたったという。


Wismettacフーズでは、海外で高く評価される国産青果物の輸出強化に力を入れている。サツマイモを巡っては焼き芋ブームで海外からも市場ニーズが高まっているとされるが、長期安定出荷の仕組みが実現できていない現実もあるという。

背景には、国内の生産体制における課題のほか、「輸送時の積載効率・歩留まり率の低さや、海外で増加している産地偽装品の流通などもある」(Wismettacフーズ)。

そのため、今回の輸出用段ボールは、輸出向けの大規模選果場に最適化した設計で効率化を進めるとともに、産地偽造品対策として1枚単位で個体識別可能な情報を印刷することでトレーサビリティ対応を可能にした。


カラフルで親しみやすいデザイン

さらに日本の漫画やアニメのイメージを用いた親しみやすいデザインを採用したほか、輸出先国で目を引くカラフルな色合いにした。


Wismettacフーズは、「今後もより良い商品開発とサービスの提供、そしてジャパン・ブランドの価値向上および産地間連携を推進する『オールジャパン』の拡大を目指し、日本産青果物の輸出促進を行ってまいります」とするコメントを発表した。

2023日本パッケージングコンテストの輸送包装部門賞を巡っては、日本コカ・コーラなどの「瞬・開・陳!パカッと段ボール箱」、再春館製薬所などの「再春館製薬所 脱プラ通販箱」など12点が選ばれた。



Wismettacフーズによると、サツマイモの輸出販売先は主にタイ、香港、シンガポール向けだそうです。5月に取材で山梨県を訪れた際に忍野八海に足を延ばしたのですが、訪日外国人客の人々が土産物店で焼き芋をほおばる姿が印象に残りました。店の方にうかがうと、主にタイの方が多く買われるそうで、現地では「日本ほど甘いサツマイモは出回っていない」ということをよく聞くそうです。日本のサツマイモが海外で評価され、市場が拡大していくことに期待したいです。