第5回 サツマイモがくれた推す喜び


フジテレビのバラエティ番組「オールナイトフジコ」に現役女子大生ユニット「フジコーズ」としてレギュラー出演し、現在タレントで活躍する上西萌々さん。将来の目標にサツマイモ専門店の経営を挙げる筋金入りの上西さんですが、連載の第5回は、かつては「推し」と呼べる存在がなかった上西さんが、ある時、サツマイモのコミュニティに飛び込み、自分の「推し」に気づかされたエピソードを振り返ります。何かを「推したくなる」気持ちに気づかされた上西さんは、自身の考え方にも変化が生まれていくことに――。【さつまいもニュースONLINE】 

第5回 サツマイモがくれた推す喜び 


「推しがいない人生は損なの?」

「あなたの推しは誰ですか?」――。

そう聞かれたとき、あなたはどのように答えますか?

相手は「推し」を聞くことで、きっとあなたのことを知ろうとしてくれている。

けれど、少なくともかつての私は、この質問が少し苦手でした。

正直に「推しはいないよ」と答えると、相手をがっかりさせてしまう気がしたからです。

ひどい場合には、「そんなの、人生損してるよ!」と、思わぬ矢が飛んでくることだってあります。

すると今度は、自分の中で「好きなものがないのはさみしいこと?」「推しがいない人生は損なの?」と、もやもやが堂々巡りを始めてしまう。

推しがいる人どうしには仲間意識があって、どこかキラキラして見える。

私はそれを、うらやましくも思っていました。


最初はただ、好きだっただけ

いまや「推し活」という言葉は当たり前。

特定のアイドルやアーティストだけでなく、企業や商品、ブランドまでもが「推し」の対象になり得る時代です。私の周りにも推し活を楽しんでいる人はたくさんいました。

それでも私には、「なんとなく好き」はあっても、「これが好き!」と胸を張って語れるものが、なかなか見つからなかったのです。

そんな私が初めて「これが好き!」と言えるようになったのが、サツマイモの存在でした。

最初はただ、焼き芋が好きだっただけ。

甘さに感動し、品種などの情報が気になり、調べては知識を増やし、また新たな焼き芋を食べ比べる。そんなことを自然に繰り返していました。

そのうち、もっと深く知りたいと思うようになりました。


就活を終え、参加した集まりで

大学生活と並行して就職活動が終わり、少し時間に余裕ができたとき、サツマイモが好きな人たちのコミュニティに参加してみることにしました。

そこには、農家さん、カフェを営む方、学生、そして純粋にサツマイモが好きな人たちがいました。

知識も立場も経験もばらばら。でも、「好き」という気持ちだけは共通している。

そして、好き度や知識の詳しさを競うのではなく、「ただ(サツマイモが)好き」という人同士で認め合う、あたたかくてやさしい空間でした。


私はそれまで、「推し」とは高い熱量や知識が必要なものだと思っていました。

けれど、私が出会ったコミュニティは違いました。

楽しみながら学び、自然と愛が深まっていく。

土に触れ、苗を植え、ツルの成長を見守り、収穫を迎える――。

その過程を知ったあとに食べた一口は、今までの何倍も特別でした。

どうしてこんなに甘いのだろう。なぜ、こんなにしっとりしているのだろう。どうしたら、この素材の魅力をもっと生かせるのだろう。

疑問は次々に生まれ、その疑問と向き合うことが、多くの学びへと変わっていきました。

新たに気づかされた大事なこと

そして、もう一つ気づいたことがあります。

私はアイドルとして活動し、幸いなことに応援してくださるファンの方々がいます。

サツマイモのコミュニティで、「ただ好き」という気持ちで集まる人たちのあたたかさに触れたとき、ふと、「推し」というのも本来はとても純粋な「好き」から始まるものなのだと感じました。

同時に、私のまわりにも、同じように支えてくださっている人がいるのだということに、あらためて気づき、胸がいっぱいになりました。

私はこれまで「推しがいない側」だと思っていました。

でも、サツマイモを好きになったことで、誰かを、何かを「推したくなる」気持ちが少し分かってきた気がします。

だからこそ、「上西萌々が好き」と大切に思ってもらえることが、どれほど尊く、ありがたいことか。

そのことを、以前よりも深く実感しています。


「おいしい」だけではなく

私はいま、ファンの方々に応援してもらいながら活動を続けています。

そんな中で、私の「推し」であるサツマイモの魅力を発信する機会をいただくこともあります。

そうした機会には、サツマイモが「おいしい」と伝えるだけではなく、その背景にある思いや情報も、丁寧に届けていきたいと思うようになりました。

サツマイモは、焼き芋や大学芋のようなスイーツとしてだけでなく、さまざまな料理の材料として使われたり、ときに焼酎や春雨などに姿を大きく変えたりもする。

いろんなかたちで人々を喜ばせることのできる、大きな可能性を秘めた食材です。

サツマイモを好きになったことで、もっと知りたいと疑問が生まれ、その疑問と向き合ううちに学びが育っていきました。

その学びは私の世界を広げ、大事なことをたくさん気づかせてくれました。


サツマイモを推していく先に

だから今の私にとって、サツマイモほど「推し」甲斐のあるものはありません。

サツマイモを推していく先には、サツマイモ好きの私の、私らしい未来がきっとある――。私はそう信じています。

そしていつか、また「あなたの推しは誰ですか?」と聞かれたなら、迷わずこう答えます。

「サツマイモです」と。

胸を張って言える「好き」があるだけで、人はこんなにも前に進めるのだと、いまの私は知っているからです。

本連載では各回、上西さんがサツマイモにまつわるおすすめの情報を「#ももの推しいも」と題して紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね!

今回、ご紹介するのは、茨城県・取手駅東口すぐそばにある、「やきいも 民光(みんこう)」(茨城県取手市)の取手店です。

昨夏、父と一緒に初めて訪れ、すぐに好きになったお店です。


私の父は、サツマイモよりもジャガイモ派。もっと言うと、実はサツマイモがあまり得意ではないんです。

ですが、こちらのお店で人気の、焼き芋の「スプーンで食べるスムージー」を飲んだ父が一言。「おいしい……」。


父によると、このスムージーは、サツマイモの甘みを塩で引きしめていて、「甘ったるくないから、おいしい」と感じられるとのこと。

確かに、塩キャラメルのように、程よい塩味がサツマイモの甘さをぐっと引き立てていて、それでいて、後味もすっきり。

口に残らないから、またひと口、またひと口と飲みたくなる味なんです。

凍らせた焼き芋を、ミルクとシロップと一緒にミキサーでほぐしながら混ぜているそうで、素材の優しい甘みがしっかり感じられます。

そして注目してほしいのが、お店のロゴ。

「お魚くわえたどら猫」ではなく、猫がくわえているものをみると……。遊び心あるロゴに、思わずほっこりしました。ぜひ、現地で見てみてください!


夏は冷やし焼き芋やスムージー、秋冬は焼き芋を販売しているとのこと。

茨城方面に行く予定がある方は、ぜひ立ち寄ってみてください!味もロゴも、きっと記憶に残るお店ですよ。


表記がない写真はいずれも上西さん提供
(第6回は3月に配信予定です)

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筆者略歴
うえにし・もも 2002年生まれ、千葉県出身。24年5月、秋元康プロデュースの現役女子大生ユニット「フジコーズ」3期生としてデビュー。フジテレビの『オールナイトフジコ』にレギュラー出演した。現在はテレビ出演やグラビアなど多方面で活躍。愛称は「ももりん」。強いサツマイモ愛で知られ、将来の目標にサツマイモ専門店の経営を挙げる。
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