第3回 私の人生を変えたサツマイモ


フジテレビのバラエティ番組「オールナイトフジコ」に現役女子大生ユニット「フジコーズ」としてレギュラー出演し、現在タレントで活躍する上西萌々さん。将来の目標にサツマイモ専門店の経営を挙げる筋金入りの上西さんですが、連載の第3回はサツマイモが自身の生き方に与えたエピソードをつづります。フジコーズのオーディションに合格後、ぶつかった壁とは……。【さつまいもニュースONLINE】 

第3回 私の人生を変えたサツマイモ

昔から私は「変わっているね」「天然だね」と言われることが多い人間でした。

当時の私はその言葉をまっすぐ受け入れることができず、「自分は周囲に馴染めていないのではないか」 と感じることもありました。

できるだけ嫌われないように、浮かないようにと気を配り、いつのまにか常に「普通」であることばかりを意識するようになっていました。

高校受験、大学受験、そして、就職活動と進む中で「みんなと同じように進むこと」が正しいように思い込み、好きなことよりも 「間違えない選択」を優先してきたのです。

だから、就職活動でよく聞かれる「学生生活で頑張ってきたこと」に、ずっと答えられませんでした。何をするにも自分本位で動いてこなかったため、胸を張って語ることができる自分らしい経験が思いつかなかったからです。

歌詞の一節に背中押され

このままの自分でいいのだろうか――。

迷いを抱えていた大学4年生の春、フジテレビのバラエティ番組「オールナイトフジコ」のメンバーオーディションがあることを知りました。

試しに楽曲を調べて聞いてみると、「ウェーイTOKYO」という曲が耳に留まりました。曇りがちだった心に、歌詞の一節がすっと入り込んできたのです。

――”後悔するのが人生でしょ”

その歌詞に、背中を押されたような思いでした。後悔してもいいなら、一度挑戦してみてもいいのかもしれない。そう思ったのです。

私は初めて自分の「やってみたい」という気持ちに従い、オーディションに応募することにしました。

個性を抑えて生きてきた

ありがたいことにオーディションは合格することができました。ただ、活動が始まると新たな壁にぶつかることになりました。

大勢いるメンバーの中で、「個性」を求められることでした。

自分らしさとは何だろう。

ずっと個性を抑えて生きてきた私にとって、その問いは難しいことでした。

悩みながら過ごしていたところ、身近な人からこんなアドバイスをもらいました。

「昔から好きだったことを一つ思い出してみたら?」

すぐに私の中で浮かび上がってきたものがありました。

冬の夜の空気に混じる香り、心まで温めてくれるようなやわらかい甘み。子供の頃から、毎日のように食べてきた、素朴な味わいのサツマイモの存在でした。


思い切って「私、サツマイモが好きなんです」と口にしてみると、周囲の人たちは「それ、すごくいい個性じゃん!」と驚くほど自然に受け止めてくれました。

好きなものを好きと口にするだけで、こんなに景色が変わって見えるのか、と感じました。

「好き」を隠さなくていい

子どもの頃から何気なく食べていたサツマイモ。

でも、ふり返ってあらためて考えると、周囲との関係や生き方に悩んだり、焦ったりして、心がさざ波立った日も、サツマイモを食べるとその甘さや香りに癒やされ、心が落ち着き、無意識に自分を取り戻していたように思います。

知らず知らずに私の人生にサツマイモは寄り添ってくれていたのです。

デビューして大きく環境が変わったときも、「好き」を隠さなくていいのだと教えてくれたのも、サツマイモでした。

周囲に「サツマイモが好き」ということを伝えるようになって、私の考え方や生き方は、大きく変わりました。

今では、サツマイモ以外のことでも「好きなことや挑戦したいことは言葉にする」ということを大切にするようになりました。


好きなものを言葉にすることは、小さな一歩かもしれません。

それでも、その一歩が自分の人生を前に進める大きな力になることがあります。

そんなことを私に教えてくれた存在が、サツマイモでした。


本連載では各回、上西さんがサツマイモにまつわるおすすめの情報を「#ももの推しいも」と題して紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね!

2025年も終わりが近づいていますね。「来年はもっとサツマイモの世界を深めたい」「実はサツマイモ通なんだよね」。そんな思いを抱く方にぜひ足を運んでほしい場所があります。

全国有数の干し芋産地で知られる茨城県ひたちなか市の「ほしいも神社」です。


令和元年に建立された新しい神社で、その案内をみると、「当地に参られご参詣していただくことによって、『ほしいもの』は総て手に入る『ほしいも神社』の御神徳が得られますよう、心からご祈念申し上げます」……。

なんと魅力的な文言でしょう。

訪ねてみると、立ち並ぶ鳥居や置いてあるバイクまですべてピカピカの黄金。さらに干し芋の形をした絵馬など、ありがたみのあるパワースポット感がすごいです!

「干し芋を通して生産者や町が受けた恩恵や、今後も末永く干し芋作りが続くように」という願いも込められているそうです。

私も購入したのですが、干し芋の形をしたお守りなど、ここだけでしか買えない干し芋のグッズも購入できるので、「いも活」にオススメです♡


きっと身につければおいしいサツマイモが自ら寄ってくることになるでしょう…!

また、境内の自販機で購入できる、干し芋パウダーを使った自然派のかりんとうも、ふんわりと香る干し芋の香りがクセになる味でおすすめです!

写真はいずれも上西さん提供
(第4回は12月中旬に配信予定です)

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筆者略歴
うえにし・もも 2002年生まれ、千葉県出身。24年5月、秋元康プロデュースの現役女子大生ユニット「フジコーズ」3期生としてデビュー。フジテレビの『オールナイトフジコ』にレギュラー出演した。現在はテレビ出演やグラビアなど多方面で活躍。愛称は「ももりん」。強いサツマイモ愛で知られ、将来の目標にサツマイモ専門店の経営を挙げる。
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