年末回顧’22<下>若者も熱狂のサツマイモ催しに思い新た 新潮流追い続ける

 「おイモのある生活をもっと」―。そんなテーマを掲げ、「さつまいもニュースONLINE」は今年、スタートしました。2022年の活動を編集部メンバーで振り返る企画の「年末回顧」の続きとなる<下>編です。2022年に印象に残ったことや新年に向けた抱負について語り合いました。【さつまいもニュースONLINE】

編集部員A…元・経済記者の会社員。サイトを立ち上げ、取材・執筆をメインで担当。
編集部員B…企業ホームページの校正担当者。編集部でも校正ほか、リサーチや取材も。

■「芋が人々の日常の一部に」

A サツマイモを巡って、今年、印象に残ったことを振り返りたい。

B 自分は茨城県つくば市の「つくば焼き芋」さんを訪れたことだ。NHKの人気ドキュメンタリー番組「ドキュメント72時間」で2021年1月放送された回(※「冬の焼きいも店 ぬくもりの先に」)で存在を知り、以前から行ってみたいと考えていた。

A 私は既にたびたび訪れていたが、あらためてBと足を運んだ。お店の雰囲気や、人々が楽しみにイモを買いに来る光景をみていると、思いを新たにさせられる場所だ。

B 訪れる前は筑波山のイメージを浮かべて、勝手に山奥の印象を持っていたが、街の中にあることにびっくりした。家族連れなど地元の人が次々と訪れ、駐車場などで焼き芋をほおばっている姿がすごい微笑ましかった。焼き芋が人々の日常の一部になっている感じが伝わってきて印象深かった。

A そうそう。特別な何か、イベントで買いに来たっていうよりか、もう本当、日常の一部としてイモを買う、イモを食べる、がそこにあるという。

B いい光景だった。

A 「つくば焼き芋」さんでは、自分は冷やし芋を実家の母親や祖母に送ったが、やはり、家族もものすごく喜んでくれた。離乳食から間もない乳幼児から、噛む力が衰えたお年寄りまで全世代が安全においしく食べられる。

B 本当にそう思う。美味しく安全に楽しく食べられるっていうのが、サツマイモ、焼き芋のよいところだ。

A そうそう。健康とかのために、無理して食べる、というものじゃない。美味しいから食べる。それで結果的に体にも優しい。ここがサツマイモの強みだと考えている。

■「潮目変わった」フェスで実感

B Aがことし、サツマイモのことで印象に残ったことは何か

A 11月に東京・新宿で初めて開かれた「やきいもフェスTOKYO」でみた景色が印象深い。

B おイモのフードフェスは各地で開かれるようになっているが、具体的にはどんなところが印象深かったのだろうか

A 都心でもあり、新大久保や歌舞伎町のすぐそばということもあり、10代、20代の姿がものすごく多かった。おしゃれなファッションをした若者らが当たり前に行列をつくったり、楽しげに焼き芋やお芋スイーツをほおばったりしている様子をみて、本当に潮目が変わったんだな、と感じた。もはや、イモを食べることが、楽しくて、今っぽくて、むしろおしゃれだ―、というところまで来ていると体感した。

B 当時、すごく感心している様子だったのを覚えている。

A さつまいもニュースONLINEは「おイモのある生活を、もっと」ということをテーマに活動している。その「もっと」を実現するために記事の発信を通じ、より多くの人や世代にサツマイモの魅力が広がればいい、と。そのために、イモの古き良きイメージである赤ちょうちんに筆文字の「やきいも」というイメージも大事にしつつ、お芋スイーツの見た目に代表されるような、ポップでカラフルで、かつ、おしゃれで楽しいという新たな潮流も記事の中でキャッチしていきたい、と意気込んでいた。だが、そうして肩に力を入れて「発掘」するまでもなく、本当に多様なアイテムが日々、生み出されている。この変化をありのまま自然に受け止めればいい、と思うようになった。
 やきいもフェスで、さつまいもの存在が、若者たちに熱烈に支持されている様子を見て、もっともっとサツマイモの魅力は広がっていく、とあらためて実感できたことは自分の中でとても大きな出来事となった。


B もっとシンプルに考えてもいいと思う。もっと気軽においしい焼き芋を買える場があれば、皆、普通に買うんだと思う。

■人々のイモへの思いを連載で

A 来年も全国の焼き芋店の店舗情報や新商品をどんどん紹介していきたい。店主の方や生産者の方からイモへの思いを聞いていくような取材をしたい。具体的には、人々のイモとのかかわり方をたずねる連載「私とサツマイモ」にもっと力を入れたいなと考えている。

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B 取材や執筆で異なる視点を入れていくのもいいかもしれない。やきいもフェスで若者の光景が印象に残ったというのであれば、その若者の視点で記事を書いてくれる人と出会うのもいいのではないだろうか。

A そういうことで来年はさらに充実した情報発信につながるよう、心掛けていきたい。2023年もサツマイモを巡る新たな潮流を追いかけていく。