さつまいも博実行委員長の石原さん「『夏におイモ』のその先に」



17日に開幕した「夏のさつまいも博」。国内を代表するサツマイモのイベント「さつまいも博」の夏版で、初の都内開催となる。息の長いサツマイモ人気が続き、全国でもサツマイモをテーマにした催しが広がりを見せる中、さつまいも博は何を見据え、今後にどのようなビジョンを描いているのか。同博実行委員長の石原健司さんに話を聞いた。【さつまいもニュースONLINE編集部】

[関連]夏のさつまいも博 個性光るスイーツがそろい踏み、食べ方提案も


都心開催で「新たな化学変化を」

ーー夏のさつまいも博を都内で開催する狙いとは。

「我々はこれまで、サツマイモのイメージを従来の土っぽく野暮ったいものから、かわいくておしゃれなものに塗り替えていきたいと考え、その表現手段としてイベント開催に取り組んできました。さつまいも博の来場者は20~30代の女性の方が多いのですが、都心で開催することで、さらに多くの人に来場して楽しんでいただけるのではないか。そして、都会のど真ん中でサツマイモのイベントを開く中で新たな『化学変化』のようなものも起こせるのではないかと期待し、初めてとなる今回の都内開催に至りました」

――今回の夏のさつまいも博のテーマについて聞かせてください。

「可能性を一つのテーマとして掲げています。昨年の夏のさつまいも博では、『夏にサツマイモを食べるんだ』というようなインパクトをまず起こすところに注力しましたが、今回はさらにその先にある、サツマイモの可能性を発信していきたいと考えています。

サツマイモは焼き芋やスイーツでおいしく食べられるだけではなく、栄養価も高く、ダイエットにも適している。糖質の吸収が穏やかで低GI食品としても優れているといわれています。また、サツマイモ単体ではなく、日本茶やコーヒー、お酒などとペアリングすることでより奥深い食の味わいが楽しめる。そうしたサツマイモが持つ可能性に触れてもらいたいと、特設ブースやステージイベントなどでさまざまな企画を盛り込んでいます」

「ブームではなく、文化にしたい」

――サツマイモのイベントが全国で花盛りですが、さつまいも博は今後、どのような取り組みを続けていきますか

「サツマイモや焼き芋のイベントが全国で増えていることはまず喜ばしいと思います。ただ、同じようなつくりのイベントばかりになるといつか限界や飽きが来てしまう。その点は今後も意識しながら取り組んでいきたいと考えます。

サツマイモにどっぷり浸かっている人も、サツマイモの魅力に気づき始めた人も、家族や恋人の付き添いで来た人も、さつまいも博のイベントを通じてサツマイモの魅力や可能性に触れ、サツマイモへの思いを深めてもらえるような場を今後もつくりだしていきたいです。

我々はサツマイモをブームではなく、文化にしていきたいと考えています。日本はサツマイモをこんなに甘くて美味しくすることができ、それは世界に誇れる文化なんだということです。そのことを広く発信し続けていきたいです」